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#002.INTERVIEW

PROFILE

Tatsuya Nakajima 中島達也

スタイリスト:1988年1月7日生まれ。
“ナカジ”の相性で親しまれている若手スタイリスト。大手セレクトショップにて、関西プレスのアシスタントを経験してこの世界に。関西をベースに活動する圓 進氏に師事した後、2013年にデビュー。カジカジをはじめとする雑誌や広告だけでなく「nunc」をはじめ、新世界を拠点とする「THE MONGORIANCHOPPSSS」、「THE UNION」と「IMA:ZINE」がタッグを組んだ「tion」、異業種コラボで話題を呼んだ「MIZUNO × master-piece」といったレーベルのメインビジュアル制作を担当。スタイル提案だけでなく世界観をトータルでディレクションするほか、去る2018年12月に開催された関西最大級の規模を誇るヘアショー「Quartet」では初の衣装製作も手がけるなど、スタイリストとして活動の場を広げている。愛嬌たっぷりの人柄も相まって、クライアントからの信頼も厚い。

スタイリストになったきっかけを教えてください。
大手セレクトショップで関西プレスのアシスタントを担当していて、来店されるスタイリストさんのリース対応を担当させてもらったのがきっかけですね。漠然と「裏方で制作の仕事がしたい」と思ったんです。そんな時に師匠の圓さんに声をかけていただき、アシスタントに就かせていただきました。
ナカジが思うスタイリスト像は?
スタイリストの仕事って自分が思う絵を表現できる仕事じゃないですか。ただ自分だけの考えだけに固執せず、クライアントの立ち位置、一緒にプロジェクトに取り組むフォトグラファー・ヘアメイクの意見にも耳を傾け、チームみんなの意匠を取り入れてアウトプットするのが自分の思うスタイリストの役割かなと。
そう思うようになったきっかけは何だったんですか?
実は独立して少し過ぎた頃に、身体を壊して入院してしまったんです。「もう何もかも終わった……」と悲観的になっていたんですが、ふと「自分のやりたいことを徹底的にやってみよう!」と思ったんです。それまでは、「とりあえず目先のギャラが欲しい」と、ガムシャラにどんな仕事でも受注していたんですけどね(笑)。それと名越 亨さんという先輩スタイリストさんとの出会いも大きかったですね。ディレクションについてのノウハウを教えていただいたんです。撮影現場に呼んでいただいたり、「ディレクションするならパワーポイントも扱えるようにならないと」と初歩的な助言をいただいたり。圓さんから教わったスタイリストとしての基礎、名越さんに習ったクリエイティブな思考が今の自分のベースになっています。
nuncも1stシーズンからナカジにルックを依頼させてもらっていますが、僕らのワガママも汲み取ってもらって感謝しています。
こちらこそありがとうございます。nuncは同世代のクリエーターが手がけていることもあり、とても思い入れのあるブランドです。なのでハイフネーションズの話をいただいた時は嬉しかったです。
こちらこそ、この活動にご協力いただいてありがとうございます。
完成まで約1年ほどかかりましたね。僕の方こそ色々な注文をしてしまって……。それだけに納得のいくスタイリストバッグが出来上がりました。これまでスタイリストのカバンって使い勝手の良いものがなかったんです。
ゼロからのデザインでしたからね。
ベースとなるデザインからの出発でしたね。自分としてはロケでも使いやすいベスト型にオーダーしました。撮影中に持ち歩くものを整理して把握しておきたい性格なので、“パーマセルテープ専用”、“タグファスナー専用”というように、収納スペース毎に決まった道具が入れられるようにお願いしました。肩を横に動かしたり、背面のポケットから荷物が取り出したりと、何かと多い横の動きに対応してもらえるよう、可動域の広いバックルを装着してもらったのもポイント。折り畳んで結束できるので、撮影現場までの持ち運びもスムーズなんです。

※2両手が空いてモデルのフィッティングがしやすいベスト型バッグに別注。左右にジップポケットを搭載したほか、背面にはペットボトルが差し込めるメッシュポケット、さらにはベルクロとジップによる収納スペースをそれぞれ2箇所を用意。ストラップに装着したバックルは左右にスライドしてくれる。
それらを更に専用のショルダーに入れて安全に持ち運べる。(写真右下)

※3ここからさらに折り畳め、ボディに取り付けたストラップで結束すると、手のひらに乗るほどのコンパクトサイズに。広げて身につけるだけのシンプルな構造も魅力の一つ。

1stサンプルが上がってからの修正も改善されましたか?
すべて改善されていました。本当に自分だけの仕様・デザインで気に入っています。ルックスはもちろん、マチの幅、手に取りやすい場所にあるポケットといった細かなディテールまで、すべてが完成されたデザインだと自負しています。
喜んでもらって嬉しいです。「CELLA」というモデルは、このバッグから着想を得て生まれました。プロの意見をフィードバックして、nuncとしてもユーザーに良い提案ができそうです。最後に今後の目標をお聞かせください。
自分が圓さん、名越さんに育てていただいたように、今後は自分自身が次の世代に何かを伝える役割にならないと、と思っています。関西ってどうしても東京と比較してもファッション関連の仕事が少ないのは確かです。ただ、「その場がない」と言っていても仕方がないし、まずは自分がどんどん仕事の幅を広げて、若い人たちの道しるべになるべきなのかなと思っています。
photo by Shimpei Hanawa / text by shouhei kuroda